ユング心理学のすすめ〈影について〉
「影とは?」
今回は「影」について解説していきます。
「あの人には影がある」や「あのこの影の部分が見えた」など、日常的に「影」という言葉は人間の性格や内面を示す際に使用されていますね。しかし、その言葉の意味を聞かれたら皆さんはなんと答えるでしょうか?
「その人が普段見せない顔?」
「その人の嫌な部分?」
言いたいことはわかりますが、だいぶ曖昧な説明になってしまいますよね。
この「影」という言葉、ユング心理学ではどのような意味を持っているのでしょうか…?
実は、この影の意味を知ることによって、普段使っている「影」というアバウトな言葉が、自己理解と内面的成長に関わる深みのあるものに感じられるようになるんです。
それでは「影」とはいったい何でしょうか。
簡潔に言い表すと、それは
「押し殺してきた自分」です。!
押し殺してきた自分…?と感じますよね。
ここで例を挙げます。
「Aさんは内向的な性格です。控えめな性格で、人に優しいAさんは、周りの意見を尊重するという理由である企画のチームリーダーに選ばれました。しかし、うまく企画が進まずAさんはチーム内の職員に攻撃的な態度をとるようになりました。次第にチーム内の関係は悪化し、企画は失敗に終わりました。」
この例でのAさんの表の性格(※私の造語です)を内向的とします。
それに対する影の性格は攻撃的であるということです。
Aさんは表の性格通り、控えめな性格である一方、プラン通りに企画が進まないということにより影が刺激され表の性格とひっくり返る形で露わになったと考察できます。
このように影はその名の通り、私たちが普段認識している性格の裏に存在しており、無意識の領域に抑え込まれています。
しかし、その一方で何らかの出来事や事象がきっかけになり表に出てくることがあるのです。
それを垣間見たときに人は「あの人の影の部分を見た」(最近だと「闇が深い」なんて言ったりしますね)などというのです。
これは私たちが人間の二面性を無意識的に認知している証拠ともいえるでしょう。
「じゃあ、無意識下にある自分の影を認識するには?」
簡単です。嫌いな人を思い浮かべてください。その人のどの部分に嫌悪感を抱いていますか。
「ズバズバものを言いすぎるところ」
「マイペース過ぎるところ」
いろいろ出てくると思います。
はい、それが影です。
「ちょっと待って…なんで嫌いな人が自分の影になるの??」
そう感じますよね。
でも、これはあながち間違っていないんです。
例えば
「ズバズバものを言いうあの人」
⇒「もっと自分の意見を言える人になりたい」
「マイペースで遅刻常習者のあの人」
⇒「自分にもっと余裕を持ちたい」
など、このように、苦手な人の苦手な部分から自分が抑圧してきた影を見ることができるのです。
人は自分の嫌いな部分、ダメな部分を直視できません。無意識のうちに抑圧しています。
では、他人にそれに近いものを見出すとどうなると思いますか。
抑圧している自分が浮き彫りにされたように感じ、その人を嫌ったり避けたりするようになります。これが嫌いな人から自分の影を見出せる訳です。
自分のダメな部分だって自分です。生きていますから、抑え込めば反発します。常日頃から抑圧していれば反発力は増していきます。そして無意識のうちに抑え込めなくなった影を他人に映し出してしまうのです。これを投影と言います。
嫌いな人、苦手な人に自分の影が存在しているとしたら、それは自己理解を深めるチャンスと言えるのではないでしょうか。
次回はこの投影された影に対してどのように対応していけばよいかを解説していきます。
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